「こんなに好きになっちゃっていいの?」を磨いて天空のつるぎにしてほしい
突然だが、敵地に乗り込む際に必要なものは何かわかるだろうか?そう、武器である。敵地に乗り込むとはすなわち戦うことを意味する。戦場においてどんな武器を持っているか、これはそのまま勝敗に直結する。強い武器を持つものが勝ち、弱い武器しか持たないものは敗者となるのだ。敵地に乗り込み、強い武器を手に戦い、勝利を奪い取るのである。
音楽にも敵地が存在する。外フェスだ。ファン、つまり仲間のみで埋め尽くされるワンマンライブとは異なり、様々な人間が集う外フェスは音楽界の戦場だ。そんな外フェスで新規ファンを獲得できれば、敵の心を制圧し屈服させたという意味で勝利と呼んでもいいだろう。
武器=ギャップ。それを教えてくれたコヤブソニック
コヤブソニック2日目、1組目のアーティストは… 笑顔が咲く、ハッピーオーラ全開! #日向坂46#コヤソニ #コヤブソニック #小籔千豊 #夏フェス #HINABINGO pic.twitter.com/VtiNSj9kcN
— コヤブソニック 2019 (@koyabusonic2019) September 15, 2019
敵地=外フェスに挑むならば、当然「武器」が必要となる。では外フェスにおいて武器となるのは何か。それは「ギャップ」なのではないかと、コヤブソニックに参戦して思った。今回お目当ての日向坂46以外にもいくつかバンドを見たのだが、その中でも巧みに武器を使い暴れまわり僕の心を鷲掴みにしたアーティストがいた。「ニガミ17才」と「the peggies」だ。
ニガミ17才は、千鳥ノブにより「クセが強いバンド」と紹介され、まごうことなき変態性を披露しながらも、「僕らのことを覚えなくてもいい。ただ、音楽はみんなで作り楽しむものだと感じて欲しい」とミュージシャンの模範のような発言をした。変態性とポップカルチャーの共存というギャップ=武器を取り出したわけだ。
the peggiesは、見た目は可愛らしい3人の女の子なのに、ドラムはめっちゃくちゃパワフルで、ギターボーカルはどこかに怒りをぶちまけるような魂のこもったパフォーマンス。見た目は可愛く中身は激しく迫力満点。こちらも見事な武器さばき。
現地も僕も大盛り上がり。これほど強いギャップがあれば敵地にも堂々と乗り込んでいけることを証明してくれた。なるほど、この2組はさながら「聖剣エクスカリバー」を巧みに使いバッサバッサと敵陣に切り込んできたわけだ。
Kiumi エクスカリバー 西洋剣 洋剣 全長約91? コスプレ 道具 武器 カリバーン アーサー王 セイバー P09
- 出版社/メーカー: Kiumibaby
- メディア: おもちゃ&ホビー
- この商品を含むブログを見る
日向坂46の場合、鍵は「こんなに好きになっちゃっていいの?」
では日向坂46の場合はどうだろう。鍵になるのは3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」だと考える。
彼女たちには持ち時間を使い切るだけのテッパンのアイドルソングがあり、言うまでもなく可愛い。つまりアイドルとして期待される「楽しさ」「明るさ」「可愛さ」といったものは標準装備のハッピーオーラ軍団だ。じゃあギャップを生み出すにはどうすれば?簡単なことだ、真逆のものを持ってこればいい。ここで3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」の登場だ。
見てくれよこの顔を。このキレを。今までにない切ない表情、力強さと美しさの混じり合った魂こもったダンスを。
彼女たちの新しい姿に衝撃を受けたおひさまは多いはず。これならば、可愛いアイドルを想定しているアウェイな環境にも堂々とぶちかましていけるギャップになる。間違いなく「こん好き」は日向坂46の新たな武器だ。王道のアイドルソングでニコニコ笑顔になり緩みきった観客にグサーーーッ!!!とぶっ刺さる姿が容易に浮かぶ。
最後に
この曲は9月26日に行われたワンマンライブで初披露されたが、頭空っぽでサイリウムを振り回し声を上げる我々オタクを一瞬にして「黙らせた」。その後のテレビ番組ではさらに揃ったパフォーマンスを披露し、刃は研ぎ澄まされ続けていることもわかった。近いところではMステが、年末にかけては大きい特番がきっと待ち構えているだろう。来たる敵地への戦に向けて虎視眈々と準備を進め、「天空のつるぎ」を持って暴れる時を楽しみに待ちたいと思う。